早いもので10月も約半分ほどが過ぎ、本屋さんでは年末に向けた特集を組む雑誌なども出てきているようですね。
最近はやりなのか、この時期多くなってくるのは『願望達成法』とか『お金と幸運を手にする方法』などの特集のようです。
そして大体どこでも『目標を決める』こと『自分が達成していることをイメージする事』をすすめるようですね。
さて、「年末までにこうしたい!」って目標を決めたとします。
皆さんそのあとどんな風に行動します?
【柔術で考える『目標』】
実は柔術の稽古をしていると『目標を忘れて行動する』事を大事だと教わります。
(目的と行動をずらすという表現をします。)
これは「稽古するときの心がまえ」
という精神的な意味だけじゃなく
「そうしないと技がかからない」
という現実的な意味でもあります。
早速実験してみます。
【柔術で実験 その1】
2人1組になって、一人の方は正座をします。
もう片方の方は正座した人の後ろに回って、肩を上から押さえます。
この状態から正座した方が一生懸命『立ちあがろう』とするのを上から押さえると、立ち上がれないことを確認します。
次に同じ状態から、今度は正座した人が『立ちあがろう』とするのを忘れてみます。
そして両手の人差し指を突き出してくるくる円を描いてみます。
(トンボをつかまえる時みたいに・・・って、今この『昭和の例え』分かります?(苦笑))
そして指で円を描きながら『立ちあがって』みます。
どうでしょう?
あっさり立ち上がれませんか?
もし相手が近くにいなかったら、柔軟体操を一人でしてみるのでも使えます。
普段「体が硬いなぁ」と思う方向に体を曲げたり伸ばす時に、『曲げよう』『伸ばそう』っていう『目標』を忘れて、先程の『指先くるくる』をしながら体操してみます。
するといつもより体が柔らかくなりませんか?
【柔術で実験 その2】
他にもこんなのもあります。
2人1組になって向かい合います。(立っても座っても大丈夫です。)
一人の方の左右どちらかの『腕』なり『手首』の辺りを、相手の方が両手で握って動かないようにします。
(この画像より、もっとしっかり握ってもらいましょう(笑))
握られた側の方はこの状態から『腕を動かそう』としても動かないことを確認します。
次に『腕』なり『手首』をつかまれた側の方は『腕をうごかそう』という『目標』を忘れてみます。
そして『手の先がホースになって水がジャージャー勢いよく出ている』のを想像します(!)。
さらに『その水で床なり天井なりを洗っていく』ようにして腕をうごかします(!!!)。
どうでしょう?
あっさり腕がうごかせませんか?
面白いもので、『立ちあがろう』『体を伸ばそう』『腕をうごかそう』とする『目標』から離れて他の事に集中すると『目標』がかないやすくなるようです。
(ちなみにこの状態は『無心』っていわれるものに近いそうです。)
「柔術と日常生活って関係なくない?」って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的に人間の意識と体ってこういう風に出来てるようですよ。
【『目標』を忘れて回復が早くなった患者さん】
僕の担当している患者さんで、脳梗塞後の左片麻痺の治療を続けていらっしゃる方がいます。
一般的に回復期と言われる6か月の間病院でリハビリなどの治療をし、その後仕事をしながら訪問鍼灸マッサージを続けることにされた方です。
その方は建築設計事務所の経営者でご自身も一級建築士。
麻痺を治して元通りの生活に戻られることを目標に、懸命に治療とリハビリに打ち込んでこられました。
ご自分が満足に動けなかったら社員も家族も養っていけないという危機感を感じながら。
でも必死にリハビリに打ち込めば打ち込むほど理想と現実の間の差の大きさに絶望して、時々怒りがこみあげてきたり、逆に落ち込んで「いっそ死んだ方が楽だよなぁ。」なんて僕にお話されることもありました。
(このご病気になられた方は、精神的に『鬱状態』になられることが多いんです。)
それがある時期を境に、回復のスピードが上がり表情もみるみる明るくなられたんです。
実はその前から僕が施術をするたびに「リハビリでも何でも力を入れるんじゃなく、無駄な力を抜く方が回復が早い事」をお伝えしてたんですが、その事をヒントに寝る前にご自身で無駄な力を抜く練習を続けていらしたんだとか。
今考えてみるとそれは前回の記事でご紹介した『自律訓練法』に近いものでした。
その効果か、油断すると拘縮してしまう左上下肢の力をかなり自由に脱力できるまでになられたんです。
そのうえ気持ちが安定するようになられて、どんどん良い『回復サイクル』に入っていかれました。
僕が訪問するたびに脱力が上手になられていることに気づいて、正直に「こんな方見たことない」「すごいことだ」とお伝えすると、「いや、まだまだだよ。」って少し照れ臭そうに、でも誇らしそうに言われるようになったんです。
そうしている間に
『元通りの生活に戻る』という『目標』から離れて「どこまで回復するか、やってみよう!」
という心境になられたとか。
今では週1回通っているリハビリ施設の職員から、他の患者さんの治療について相談を受ける立場になっているそうです。
【結論 『目標』を忘れると『目標』がかなう】
「たくさんお金が欲しい」とか「健康でいたい」って思ったとして、「じゃあどれくらいのお金が欲しいのか?」とか「どういう状態が自分にとって健康なのか?」を具体的な『目標』にするのは大事だと思います。
けれど年がら年中「お金が溜まっている自分」とか「健康で生き生きしている自分」を想像しながら生活するって結構エネルギーを使いますし、実現したとしても思ってたようにスムーズにいかなかったり時間がかかったり、そのうち『目標』自体が重荷になったりします😅。
恋愛もそうですね。
『目標の人』から喜ばれるように行動して一生懸命すればするほど力み過ぎて、滑って転んで失恋することもあります😅。
もちろん「目標目指して一直線」ってがむしゃらに行って上手く行く方もいらっしゃいますが、相当な『腕力』がいる事は間違いなさそうです。
それよりも『目標』を決めたら『目標』を忘れきって『他の集中しやすいなにか』に意識を向けて取り組む方が、効果が出るのは楽ですし早いと思います。
(僕が学生の時、アイドルしてた頃の『斉藤由貴』さんが「さがすのをやめたとき~、見つかる事はよくあるはなしで・・・」って歌ってました(笑)。)
『ダイエット』『貯金』『パートナーつくり』『営業目標』・・・などなど。
これから「年末までに○○○○しよう!」って考えてる方もいらっしゃると思いますが、宜しかったらご参考に。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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最近はやりなのか、この時期多くなってくるのは『願望達成法』とか『お金と幸運を手にする方法』などの特集のようです。
そして大体どこでも『目標を決める』こと『自分が達成していることをイメージする事』をすすめるようですね。
さて、「年末までにこうしたい!」って目標を決めたとします。
皆さんそのあとどんな風に行動します?
【柔術で考える『目標』】
実は柔術の稽古をしていると『目標を忘れて行動する』事を大事だと教わります。
(目的と行動をずらすという表現をします。)
これは「稽古するときの心がまえ」
という精神的な意味だけじゃなく
「そうしないと技がかからない」
という現実的な意味でもあります。
早速実験してみます。
【柔術で実験 その1】
2人1組になって、一人の方は正座をします。
もう片方の方は正座した人の後ろに回って、肩を上から押さえます。
この状態から正座した方が一生懸命『立ちあがろう』とするのを上から押さえると、立ち上がれないことを確認します。
次に同じ状態から、今度は正座した人が『立ちあがろう』とするのを忘れてみます。
そして両手の人差し指を突き出してくるくる円を描いてみます。
(トンボをつかまえる時みたいに・・・って、今この『昭和の例え』分かります?(苦笑))
そして指で円を描きながら『立ちあがって』みます。
どうでしょう?
あっさり立ち上がれませんか?
もし相手が近くにいなかったら、柔軟体操を一人でしてみるのでも使えます。
普段「体が硬いなぁ」と思う方向に体を曲げたり伸ばす時に、『曲げよう』『伸ばそう』っていう『目標』を忘れて、先程の『指先くるくる』をしながら体操してみます。
するといつもより体が柔らかくなりませんか?
【柔術で実験 その2】
他にもこんなのもあります。
2人1組になって向かい合います。(立っても座っても大丈夫です。)
一人の方の左右どちらかの『腕』なり『手首』の辺りを、相手の方が両手で握って動かないようにします。
(この画像より、もっとしっかり握ってもらいましょう(笑))
握られた側の方はこの状態から『腕を動かそう』としても動かないことを確認します。
次に『腕』なり『手首』をつかまれた側の方は『腕をうごかそう』という『目標』を忘れてみます。
そして『手の先がホースになって水がジャージャー勢いよく出ている』のを想像します(!)。
さらに『その水で床なり天井なりを洗っていく』ようにして腕をうごかします(!!!)。
どうでしょう?
あっさり腕がうごかせませんか?
面白いもので、『立ちあがろう』『体を伸ばそう』『腕をうごかそう』とする『目標』から離れて他の事に集中すると『目標』がかないやすくなるようです。
(ちなみにこの状態は『無心』っていわれるものに近いそうです。)
「柔術と日常生活って関係なくない?」って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的に人間の意識と体ってこういう風に出来てるようですよ。
【『目標』を忘れて回復が早くなった患者さん】
僕の担当している患者さんで、脳梗塞後の左片麻痺の治療を続けていらっしゃる方がいます。
一般的に回復期と言われる6か月の間病院でリハビリなどの治療をし、その後仕事をしながら訪問鍼灸マッサージを続けることにされた方です。
その方は建築設計事務所の経営者でご自身も一級建築士。
麻痺を治して元通りの生活に戻られることを目標に、懸命に治療とリハビリに打ち込んでこられました。
ご自分が満足に動けなかったら社員も家族も養っていけないという危機感を感じながら。
でも必死にリハビリに打ち込めば打ち込むほど理想と現実の間の差の大きさに絶望して、時々怒りがこみあげてきたり、逆に落ち込んで「いっそ死んだ方が楽だよなぁ。」なんて僕にお話されることもありました。
(このご病気になられた方は、精神的に『鬱状態』になられることが多いんです。)
それがある時期を境に、回復のスピードが上がり表情もみるみる明るくなられたんです。
実はその前から僕が施術をするたびに「リハビリでも何でも力を入れるんじゃなく、無駄な力を抜く方が回復が早い事」をお伝えしてたんですが、その事をヒントに寝る前にご自身で無駄な力を抜く練習を続けていらしたんだとか。
今考えてみるとそれは前回の記事でご紹介した『自律訓練法』に近いものでした。
その効果か、油断すると拘縮してしまう左上下肢の力をかなり自由に脱力できるまでになられたんです。
そのうえ気持ちが安定するようになられて、どんどん良い『回復サイクル』に入っていかれました。
僕が訪問するたびに脱力が上手になられていることに気づいて、正直に「こんな方見たことない」「すごいことだ」とお伝えすると、「いや、まだまだだよ。」って少し照れ臭そうに、でも誇らしそうに言われるようになったんです。
そうしている間に
『元通りの生活に戻る』という『目標』から離れて「どこまで回復するか、やってみよう!」
という心境になられたとか。
今では週1回通っているリハビリ施設の職員から、他の患者さんの治療について相談を受ける立場になっているそうです。
【結論 『目標』を忘れると『目標』がかなう】
「たくさんお金が欲しい」とか「健康でいたい」って思ったとして、「じゃあどれくらいのお金が欲しいのか?」とか「どういう状態が自分にとって健康なのか?」を具体的な『目標』にするのは大事だと思います。
けれど年がら年中「お金が溜まっている自分」とか「健康で生き生きしている自分」を想像しながら生活するって結構エネルギーを使いますし、実現したとしても思ってたようにスムーズにいかなかったり時間がかかったり、そのうち『目標』自体が重荷になったりします😅。
恋愛もそうですね。
『目標の人』から喜ばれるように行動して一生懸命すればするほど力み過ぎて、滑って転んで失恋することもあります😅。
もちろん「目標目指して一直線」ってがむしゃらに行って上手く行く方もいらっしゃいますが、相当な『腕力』がいる事は間違いなさそうです。
それよりも『目標』を決めたら『目標』を忘れきって『他の集中しやすいなにか』に意識を向けて取り組む方が、効果が出るのは楽ですし早いと思います。
(僕が学生の時、アイドルしてた頃の『斉藤由貴』さんが「さがすのをやめたとき~、見つかる事はよくあるはなしで・・・」って歌ってました(笑)。)
『ダイエット』『貯金』『パートナーつくり』『営業目標』・・・などなど。
これから「年末までに○○○○しよう!」って考えてる方もいらっしゃると思いますが、宜しかったらご参考に。
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